グラフ
九州厚生年金病院
北岡 直登
,
增野 豊
pp.35-46
発行日 1956年2月1日
Published Date 1956/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541201067
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九州厚生年金病院は,東京,大阪両厚生年金病院に後れること3年,昭和29年3月着工,昨30年3月開院,今年3月看護婦宿舎の完成により,400床収容可能となる。全体の完成は31会計年度であつて,未だ機械器具等に不備の面が多いが,"病院"の御要望により,現況を御紹介することにした。
建物の設計は東京,大阪と同じ山田守建築士によるもので,為に数々類似点もあるが,更に改良工夫が加えられたことは当然である。とは言え前二者に比し予算上の縮減があつたために割愛を余儀なくさせられた点も見られる。然し又反面,出来るたけ無駄を省きスペースを最大限に活用する苦心が払われた結果,能率的なよくまとまつた病院となつたことは此の病院の長所と言えよう。内に容する設備の種類は,三者略同様であり乍ら,1床当の建坪は,前二者が約15坪であるのに比し僅かに9坪に過ぎないことは,如何にコンデンスされて造られたかを示すもので,此の種の病院としては,恐らくリミツトではなかろうか。今日既に外来部門は,患者500をさばくに狭さを感じているが,止むを得ない結果であろう。但し伝えられるいわゆる新医療費体系に切換えられてからどうなるか,興味ある課題である。
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