現場訪問
医療法人青山会青木病院臨床心理士 溝口るり子さんに聞く
本誌編集室
pp.434-435
発行日 1980年5月1日
Published Date 1980/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541207159
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- 文献概要
身体疾患の場合とちがって,精神疾患については,一義的に断定できるところが極めて少ない.したがって,治療者の対応の仕方も,一面的,即決的な方法では何の解決にもならないどころか,かえって害になるという.外部者から見ると,その多元性と不確定性の故に,精神疾患とその治療について,分かりにくいとも,ともすれば抽象的とさえ映りがちである.しかし,いったんその現場を垣間見ると,そのむずかしさ,問題の深刻さは,想像をはるかに超えるものがあるようだ.中でも臨床心理という部門は,専門の辞書で調べてみても,その定義は様々で漠然としており,分かりにくい.その仕事の内容も,かつて受けたことのある知能テストや心理テストのほかには,正直なところ具体的なイメージとして浮かんで来にくい.それは,同じ治療に携わっている医師,看護婦(士)たちからさえ,そう思われることがあるというくらいなので,あながち素人の無知のせいだけでもないようである.
そこで今回は,都下の民間精神病院に臨床心理士として勤めて5年目の,溝口るり子さんをお訪ねして,率直な質問を試みた.
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