リハビリテーション・その現状
本院と分院のリハビリテーションの連携の経験
渡辺 淳
1
1中通リハビリテーション病院
pp.329-332
発行日 1980年4月1日
Published Date 1980/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541207130
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
一般病院が,リハビリテーションを実施する際の問題点の一つとして,リハビリテーション専門病院との医療連携の困難さが常に取り上げられる1〜3).その原因は,①リハビリテーションを必要とする患者数から見るならば,リハビリテーション専門病院が絶対的に不足しているため,予約から入院までに長期間を必要とすることが多いこと,②リハビリテーション専門病院は,総合病院でないため,高度な医学的管理を必要とする患者の入院は敬遠したり,看護体制が弱いため日常生活動作(ADL)の能力の低い患者を制限するなどの問題がある.更に,③我が国では,リハビリテーション専門病院が温泉地など患者にとって遠隔地にあり,家族や地域社会から切り離されるため,リハビリテーション専門病院への転院は容易でないことにもよる.これらの弱点により,患者にとって必要な時期に必要なサービスが受けられず,一般病院では在院期間が長期化する一因となり,結果として家庭復帰や社会復帰が遅れることになる.
筆者は,リハビリテーション専門病院(中通リハビリテーション病院)に勤務しながら,一般病院(中通病院)に毎週1回リハビリテーションのコンサルテーションを行っている.本稿では,その経験を紹介しながら,一般病院とリハビリテーション専門病院との医療の連携について論じてみたい.
Copyright © 1980, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.