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山間離島の医療に恵まれない人のために医師の協力を期待しています—自治体病院・診療所勤務医師等職員センター
米田 啓二
1
1全国自治体病院協議会
pp.281
発行日 1980年3月1日
Published Date 1980/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541207119
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山間・離島等いわゆるへき地等における医療対策の最も重点となるのは医師の確保である.医療は,医師のみで行われるものでない,しかしながら,医療の中心となって活躍が期待されるのは医師である.我が国において,へき地医療対策が進められて久しいが,最大の問題は医師の充足にある.因みに,全国自治体病院開設者協議会及び全国自治体病院協議会の共同調査による昭和53年9月30日現在における常勤医師の充足率についてみると,山村・離島等へき地に所在する100床未満の病院では65%に過ぎず,地域の中核病院としてへき地等の医療対策に期待がかけられている100床以上300床未満でさえも68%に過ぎない(全病院80%).また,診療所は74%の状態で医師不足は未だに一部大都市を除いて深刻である.最近,医科大学の新設,医学部の定員の増加が図られてきてはいるが,これらの医師の多くは都市に集中する傾向が強く,このまま放置すれば,都会と山村・離島等の医療格差はますます増大するものと考えられる.
これに対処するため,全国自治体病院開設者協議会及び全国自治体病院協議会では山村・離島等における医療の確保を図る目的で,両協議会で設置した「自治体病院及び診療所における勤務医師対策小委員会」の提言に基づき,関係諸団体との協議のうえ,この事業を実施することにした.
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