特集 診療録の保存と利用
診療録マイクロ化の諸問題
大塚 親哉
1
,
丸林 葉子
1
1順天堂大学医学部附属医院診療録中央管理室
pp.214-217
発行日 1980年3月1日
Published Date 1980/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541207101
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
診療録は誰のものかとの質問に対して,ある者は医師のものと答え,あるものは患者のものと言う.ひと昔以前であれば,医師のものとの答が大多数を占めたであろうし,それも主治医個人のものとの認識が高かったはずである.
しかし,考えてみれば,診療録は患者自身のために,診療を担当した医師が記録し,保存をしているものであり,それが診療録のもっとも大切な意義であることは明らかである.もちろん医学が博物学と同様に記載の科学であり,集積された記載が体系づけられ,発展してきた学問であることを否定するものではない.その内容は科学的な観察記録であろうが,それは現在二義的なものである.
Copyright © 1980, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.