今日の産婦人科
癌細胞診断の自動化の諸問題
西谷 巌
1
,
菊地 徳博
1
,
山崎 知文
1
Iwao Nishiya
1
1北海道大学医学部産婦人科学教室
pp.517-525
発行日 1973年6月10日
Published Date 1973/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204840
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"Can automation help us?"最近,子宮癌細胞診の広く普及した欧米諸国において,大量の検体処理に悩むCytologistやCytoscreenerの間でささやかれている。癌細胞診が"Pap.test"と呼ばれて,子宮癌年齢層の婦人の間に普く知れわたつているアメリカでは,C.A.I.(Cytology Activity Index)すなわち30歳以上の婦人1,000人に対する1年間の細胞診実施率は,550〜600に達するといわれ,イギリスでも対象婦入1,700万人の細胞診実施体制を確立する準備がすすめられているとMc Laren1)は報じている。
西ドイツ全域にわたる子宮癌検診の制度化は,世界各国の注目を集めているが,Soost2)は,1971年7月に制度が発足してから12月までの6ヵ月間に1,617,257人の検診が行なわれ,対象総数1,900万人にたいし8.5%であつたと述べている。このように子宮癌細胞診は,これまでの価値に関するDiscussionやSurvcyから,癌制圧の有効な手段として認められ,これによつていかに検診数の増加をもたらすかという段階にきている。
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