特別寄稿
高齢化社会と医療構造の変貌
藤正 巖
1
,
渥美 和彦
1
1東京大学医学部電子研究施設
pp.120-123
発行日 1980年2月1日
Published Date 1980/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541207075
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高齢化社会はすべての国に間違いなくやってくる.人口の増加が許されなくなったこの地球上の人類にとって,高齢化社会は避けることのできない将来像である.そして,この現象で最も深刻な打撃を受けるのは,医療を含む社会システムである.本稿では,我が国がここ数十年で直面する世界に例のない高齢化社会が医療構造にどのような影響を与えるかを,計量経済学的な手法によって予測し,今後30年間の定量的なシナリオを描くこととしよう.たとえそれが間違った答であったとしても,そこには,そのシナリオを導き出すに至った定量的なパラメータと経済原理が定義され,だれもが同じ土俵で論議できると考え,あえてこの一文を書くこととした.
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