特集 チェーンホスピタルとは
チェーンホスピタルと今後の医療—ビジネスとしての医療を考える
組織の大型化・経営のチェーン化は時代の必然
林 周二
1
1東京大学教養学部社会科学科
pp.832-833
発行日 1979年10月1日
Published Date 1979/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541206980
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結論からまず言ってしまえば,組織の大型化,経営のチェーン化・連鎖化は,これからの時代の第3次産業における必然的な共通傾向であって,これを阻止することや,これに背を向けることはできないであろう,ということである.なお,ここに第3次産業とは,狭義の意味でのものを指すだけでなく,宗教や教育,医療などに関わる組織を広義に含む.すなわちスーパーマーケット・タイプの小売店舗や,郊外レストランをはじめ,ホテル,スポーツ施設,娯楽施設,レンタカーなどに至るまで,最近の連鎖経営体は我が国で非常な勢いで伸びている.また銀行,保険,トラック事業,放送,広告などの企業や私学経営,新興宗教団体などでも,チェーン化組織づくりの範囲は拡大をみせている.
病院とか,人間ドックとか,健康産業とか,薬局薬店とかの経営だけが,このような傾向から無縁であることは,不可能であると考えなければならない.問題はただ,どのようにチェーン化を図るかである.とにかくこれまでの我が国で,そういったチェーン型の病院経営,医療施設経営が現われなかったほうが不思議である.
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