カラーグラビア メディカル・ハイライト
ビッグ・メディスン(大型化医療)
宮野 晴雄
1
1読売新聞科学部
pp.6-7,73-75
発行日 1971年4月1日
Published Date 1971/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661915984
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巨大な原子炉そのものが“道具”である脳しゅようのホウ素中性子捕捉療法。レントゲン写真でウヨウヨ見られたしゅよう像は,たった一度の照射で,4週間後にはあとかたもなく消えたという。ガン専門病院では,高さ5メートルもある高エネルギー放射線装置が,ガン治療の“エース”。患者の大群を“流れ作業”式に一人当り1〜2分でテキパキ処理していく。ときには患者を“高圧酸素チェンバー”に入れ照射する。
これらはほんの一例だ。複雑で大型化した“ビッグ・メディスン”。それは医師団だけではなく,理,工学など多くの異質分野の専門家とのチームワークが前提になっている。しかしチームワークは,巨大装置を使う派手な医療だけのことでは決してない。良心的な医療施設なり,本当に打ち込んだ学問的取り組みをしている研究機関では,どこでもそれぞれのやり方でげんに行なわれており,ますますその必要性が強調されている。それなしには,もはや医療も研究も成り立たなくなっているともいえよう。そういう点にふれながら,第1回目は“ビッグ・メディスン”(大型化医療)をご紹介しよう。
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