実務のポイント 薬剤
病棟の薬品管理の実際
宇佐美 久良
1
1国立名古屋病院
pp.682-683
発行日 1979年8月1日
Published Date 1979/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541206939
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病棟の薬品管理の基本
近来,医療の場における医薬品の貢献は非常に大きいものがある.それだけに病院の中を見渡すと,薬品が至るところで保管され,使用されている.すなわち調剤室,製剤室など薬局内はもちろんのこと,病棟,外来診療部,手術室,X線室,検査室などがその場である.いま病棟に置かれている薬品について考えてみると,処方箋により調剤された入院患者個々の調剤薬品,注射薬品,検査薬品,処置用薬品,消毒薬,製剤薬品などが保管されている.これらの薬品は一枚の処方箋,注射箋および伝票などで供給され,その後は薬剤師の手から離れて,その管理は主として看護婦に委ねられているのが現状である.したがって供給された薬品の管理の良否は看護婦の取扱い方いかんに負うところが多い.
医薬品はその特殊性から,1)医薬品の変質の機構(例えば温度,湿度,光)や有効期限などによる品質管理,2)安全性を保つための方策(例えば誤薬防止,保存法,副作用対策など)をたてる安全管理,3)適正な薬品の使用方法に基づく使用管理,4)医療上および経営上,合理的な量的管理をする出納管理,5)個々の患者に特定の薬剤を正しく与薬し,観察する与薬管理など専門的な管理が要求される.
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