ほんねたてまえ
医薬分業を考える/医療指導監査官(医療Gメン)の強化
H.M
pp.266-267
発行日 1979年3月1日
Published Date 1979/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541206821
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明治初期に,我が国で,医療制度が法制化されて以来,一貫して,医薬分業が唱えられている.それにもかかわらず,未だにその緒もつかめていないのは,珍しい事例と言わねばならぬ.その間の議論を振りかえってみると,すべて「建て前」論であって,本質にふれた点が少しもない.医師は本業が診療だから,それ以外に手を出すべきでないとか,調剤は薬剤師の聖域だから,これを医師によって侵されると面子にかかわるという理論である.なかには欧米の先進国は医薬分業だから,我が国も,これにならうべきだというのもある.
そもそも医薬分業で問題になる薬品業務には次の3段階がある.①草根木皮から製粉抽薬したり合成化学による製薬(製剤)②医師の処方による調剤,③薬品を患者に手渡して販売する販剤,なお薬品業務にはこの外に病棟での与剤,及び注射がある.
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