院内管理のレベル・アップ ものの管理
ものの管理の方法・1
物品管理に対するシステム的アプローチ
福井 康裕
1
1東京電機大学理工学部経営工学科
pp.142-143
発行日 1978年2月1日
Published Date 1978/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541206454
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場当り的なやり方
病院で使用されている消耗品(医薬品・医用材料・事務用品・食料品)ならびに再生品(医療器材・リネン)などの物品の管理について一つの提言をしたい,これらの物品は,一般企業の物品と異なり,・数千種にも及ぶ少量多品種である.・稀少の使用頻度であっても常備を要求されているものが多い.・信頼性・安全性・清潔性がとくに要求されている.などの特性を持つため,その管理が極めて困難であるといわれている.また,これら物品の購買費が,病院経営上において占める比率が人件費に次ぐ大きなものであることも周知の事実であり,今後もさらにその費用は増大していくものと予測されている.病院経営を改善するには,収益を増すか,支出を削減するかのどちらかであることはいうまでもない.病院の収益は,診療報酬制度によってその収入が抑えられており,患者中心の質の高い,良心的な医療を行えば行うほど病院経営の悪化に拍車をかけるという実に矛盾に満ちたものになっている.他方,病院の支出に関しては,その最も大きな比率を占める人件費の削減が望まれる.しかしながら,むしろ人手不足でその増大はあっても減少などとても期待できないのが現状である.
この病院経営危機の中で,物品管理に何らかの対策を施すこと以外に,病院経営改善にとって残された道はないといっても過言ではあるまい.
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