特集 各部門の能率の図り方
部門管理の問題点と能率評価の考え方
一条 勝夫
1
1自治医大病院管理学
pp.43-46
発行日 1977年7月1日
Published Date 1977/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541206275
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古くは医師のSolo practiceから発した医療も,医学医術の進歩の結果,近代的病院医療という高度に専門分化した,技術の複雑かつ精緻な組織的行為に発展してきた.限りなく専門化し分業化した結果,多くの技術部門と多種類の専門職種とが形成され,それぞれがひとりの患者を中心とした医療の一節を担当し,それなりに高い機能と役割とを分担するようになった.専門化,分業化は,社会産業の事業遂行における大規模生産,能率化,合理化に伴う自然的必然的動向であり,近世における経済的発展の基本条件であった.医療もこの例外ではなく,医学医術の進歩発展,そしてその社会的適用としての医療の質的向上の原因でもあり,結果でもあった.
しかし医療の分野における専門化,分業化は,一般産業部門のそれとはいささか異なった傾向がある.それは,一般産業における技術的分化にくらべて,各専門部門における自己発展と進歩の動機が強いことである.
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