技術解説
能率的なピペツトさばき
堀越 晃
1
1東大病院 臨床検査部血清検査室
pp.363-365
発行日 1958年6月15日
Published Date 1958/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542905475
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血清学的検査に最も必要な技術はピペツトのさばき方である。ピペツトさばきはすばやく,しかも正確でなければ,よい結果を期待することはできない。多数の検査を扱う検査室では,ピペツトさばき如何によつて,検査結果に多大の影響を及ぼす。殊に補体結合反応では,ピペツトさばきは,正確にかつ迅速でなければならない。"手と指はいつもせいけつに"これを忘れてはならない。ピペツトは手と指と口唇で扱うのであるから,衛生上つねにせいけつにこころがけなければならない。"ピペツトはかならずピペツト台の上におくこと"ピペツトは血清学手技の生命であるから,つねに清浄にたもたなければならないからである。多数の検査を扱うことが多いから,数十本のピペツトを載せることのできる台をそなえることが望ましい。以上のことがピペツトを能率的に扱う上に必要な要素である。
ピペツトは目的に応じていろいろな種類があるが,一般に血清学的検査につかわれているピペツトは,目盛ピペツトと毛細管ピペツトの2種である。(グラフページ写真1)つぎにおのおのについて,選び方,および扱い方を述べてみよう。
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