病院の広場
大病院での横の連絡と能率化の問題点
塚本 憲甫
1
1現:国立がんセンター病院
pp.17
発行日 1970年1月1日
Published Date 1970/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541203841
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私の病院生活も決して短いほうではないが,もともと私は癌の放射線治療というような狭い分野にとじこもっている時期が長かったので,病院管理の面には,正直なところあまり興味を持たなかった.しかし,歳をとるにつれて,そうばかりも言っていられない地位に立たされるようになってみると,もう少しこうした方面の勉強もしておけばよかったと今さらながら後悔している.
国立がんセンターのように施設の規模が大きくなり,病院と研究所とその両方の運営にあたる運営部との3本建ての機構では,幸いにして運営面はその道の専門家にまかせることができて,その点は大いに助かるのであるが,癌の専門病院というと,限られたの診療の施設であるから,簡単であるかのように取られるが,今日のように癌の診断,治療両面の技術が高度に分化してくると,その横の連絡を密にすることがいかに重要であるかを痛感させられるのである.
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