人
慈父とも慕われ病院と共に46年福井赤十字病院院長柳武夫氏
小山 三郎
1
1大阪赤十字病院
pp.16
発行日 1977年7月1日
Published Date 1977/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541206265
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温厚篤実という言葉は先生のためにあるように思う.接する者をすべて温く抱擁して溶けこませる.慈父のごとく慕われ,先生のいる限り全力投球で勤務すると誓う職員が多いというほどの強い指導力の持ち主である.
大正15年京大医学部を卒業後松尾内科に入局,昭和5年7月に福井日赤病院の内科医長に着任以来46年,その間院長職にあること28年,人生の大半を福井日赤病院の発展のために歩み,国ならびに地域医療に貢献された功績は枚挙にいとまない.46年の在職中には火災,震災,戦災と度重なる災厄に会いながら病院を復興して今日の隆昌に導いた.その偉大な業績は厚生大臣賞を始め,知事,市長,日赤社長,県医師会長の度々の表彰,藍綬褒章,勲三等瑞宝章の受章が証明している.現職の日赤病院長中の長老,常にわれわれを指導,啓発してくれ,われわれの敬愛の的であって日赤には無くてはならぬ貴重な存在である.
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