特集 医療法と病院
病院等の定義の今日的適合性
石原 信吾
1
1厚生省病院管理研究所
pp.38-40
発行日 1977年1月1日
Published Date 1977/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541206121
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法の妥当性適合性
法律はそれ自身のもつ規範性の故に,社会を一定の方向に導く面のあることは否定できない.特に社会制度に関連する法律については,そういうことが言えると思う.そこで,ある法律の中にある事柄についての定義が掲げられているような場合には,大いに注意してその内容を検討してみることが必要である.そうすれば,その法律にこめられた制定者の意図なり考え方なり,あるいは事柄の理解の仕方なりを,そこにかなり明瞭に読みとることができる.
あるひとつの法律の妥当性あるいは時代的適合性が,歴史的見地に立って考えられるべきものであることは言うまでもない.ある時期においては妥当性や適合性をもって社会をリードしえた法律であっても,そこにおける諸条件が大きく変化してきた場合においては,その妥当性や適合性を失うことになることも十分に考えられる.そのような場合には,法律自身の内容を変更する必要性も当然出てくるであろう,そうでなければ,その法律は社会から遅れることになり,その規範性さえ維持できなくなることも考えられるからである.
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