今月の主題 臓器移植と臨床検査
移植に必要な検査
組織適合性検査
佐田 正晴
1
,
辻 隆之
2
Masaharu SADA
1
,
Takayuki TSUJI
2
1国立循環器病センター研究所実験治療開発部臓器移植研究室
2国立循環器病センター研究所実験治療開発部
キーワード:
腎移植
,
HLAタイピング
,
クロスマッチ
,
クラスⅡDNAタイピング
Keyword:
腎移植
,
HLAタイピング
,
クロスマッチ
,
クラスⅡDNAタイピング
pp.873-879
発行日 1997年8月15日
Published Date 1997/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542903388
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HLAは自己―非自己を識別する分子として機能し,移植臓器の生着や拒絶の決定に重要な役割を演じている.腎移植にとって,ドナー―レシピエントのHLA抗原適合度の良否やレシピエント血清中に存在する前感作抗体の把握は,移植後の予後を左右する最も重要な因子である.PCR法を用いたクラスⅡDNAタイピングにより,困難だったドナーのDR抗原の同定が正確かっ迅速に行われるようになり,最適なレシピエントを選択し移植することが可能となった.臓器移植の全国ネットワークが具体化し,移植の共通言語である組織適合性検査はますます重要となるであろう.
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