今月の主題 腎不全
技術解説
組織適合性検査
秋山 暢夫
1
,
首藤 節子
1
Nobuo AKIYAMA
1
,
Setsuko SHUTO
1
1東京大学医科学研究所臓器移植生理学研究部
pp.732-738
発行日 1983年7月15日
Published Date 1983/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542911910
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
組織適合抗原系の解析は,1954年にDaussetが大量輸血患者血清の持つ,白血球凝集作用を発見したことが端緒となった.同年代に,van RoodやPayneも輸血患者や経産婦血清中に抗白血球抗体の存在することを知り,世界各地で研究が開始された.しかし,ごく最近成分輸血の全盛時代を迎えるまで,白血球抗原系に対する研究は輸血の分野ではなおざりにされ,腎移植の臨床と結び付いて,移植免疫反応を規定する抗原として盛んに研究され,発展を遂げてきた.
ヒト主要組織適合抗原系は,末梢リンパ球について血清学的な方法で見いだされるHLA-A, B, Cの三種の抗原系と,Bリンパ球にのみ見いだされるHLA-DR抗原系があり,さらにリンパ球混合培養によって見いだされるHLA-D抗原系の存在が明らかにされている.
Copyright © 1983, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.