特集 病院職員の需給関係
病院職員の需給の現状について
長谷川 慧重
1
1厚生省医務局指導課
pp.25-33
発行日 1968年9月1日
Published Date 1968/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541203428
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病院勤務者の不足が最近とみに訴えられている。そのことは特に医師・看護婦についてはなはだしい。医師は病気の説明を十分してくれない,病床はあるが患者を入院させることができない,患者の取り扱いが機械的で不親切である等々,主として勤務者の量的不足に原因すると思われる訴えが多い。
すなわち過去10年間においては国民皆保険体制の確立,給付率の引き上げ,公費医療の給付改善,保健意識の向上などが医療の需要に大きな影響をおよぼしていて,その量を急激に増加させてきた。今後はまた,医学医術の進歩に伴って,医学の分野はますます専門分化してきており,さらに人口構造の変化--人口の老齢化,都市集中化--社会経済の発展に伴う新しい疾病--いわゆる老人病,いわゆる公害病,交通災害後遺症など--の増加という質的変化も加わった医療需要が増大してくると考えられる。
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