Japanese
English
短報
健常者における肘の肢位と握力の関係
Relationship between Grip Strength and Elbow Position in Healthy Subjects.
高木 大輔
1,2
,
荒井 三千雄
3
,
稲庭 千弥子
1
,
大嶋 伸雄
4
,
斎藤 晴樹
4
,
佐藤 峰善
4
Daisuke Takagi
1,2
,
Michio Arai
3
,
Chiyako Inaniwa
1
,
Nobuo Ohshima
4
,
Haruki Saito
4
,
Mineyoshi Sato
4
1今村病院リハビリテーション部
2秋田県厚生連湖東総合病院
3老人保健施設ニコニコ苑
4秋田大学医学部整形外科
1Department of Rehabilitation, Imamura Hospital, Akita
3Health Service Facilities for the Elderly, Nikonikoen, Akita
4Department of Orthopedic Surgery, Akita University School of Medicine
キーワード:
握力値
,
肘の肢位
,
JAMAR握力計
,
健常者
Keyword:
握力値
,
肘の肢位
,
JAMAR握力計
,
健常者
pp.651-654
発行日 1997年7月10日
Published Date 1997/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108424
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はじめに
握力は主として,母指およびこれと対立するほかの4本の手指による瞬発的な最大筋力を測定するものであり,上肢機能検査の重要な指標の一つとして,リハビリテーションの診療にも頻用されている.しかし,測定時の姿勢,および上肢の肢位に関しては,被検者の身体的な状況も関係するため,検者の自由な裁量にまかされており,必ずしも統一されていない,一方,再現性のある正確な測定値を得るためには,最大の握力を発揮できる肢位で測定することが重要と思われる.
従来の研究によれば,坐位や仰臥位での測定よりも,立位12)で,肩関節は屈曲180°10)で,手関節はやや背屈位8)の状態で大きい握力が発揮できることが報告されている(表1).しかし,肘の肢位については一致した見解が得られず,実際には肘関節屈曲位,伸展位のいずれかで行われているようである.
われわれは最大の握力が発揮できる肢位を確認するため,従来の研究で最も着目されている肘関節の肢位に焦点をあて検討した.
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