病院紹介
「総合」の中の「専門」に活路を拓く—〈座談会〉京都・桂病院の医療
山下 政行
1
,
緒方 豊
2
,
八木 信三
3
,
若林 陽夫
4
,
中山 弘
5
,
船津 武志
6
,
今井 幸雄
7
,
後宮 文子
,
吉村 勝美
8
,
森 日出男
9
1京都社会事業財団
2桂病院
3桂病院事務部
4桂病院外科
5桂病院内科
6桂病院呼吸器センター
7桂病院内科
8桂病院事務部
9名古屋保健衛生大学
pp.53-61
発行日 1976年1月1日
Published Date 1976/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541205800
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京都西山の麓,豊富な緑と澄みわたる大気の中に桂病院はある.昭和12年,34床で出発した結核療養所松尾病院こそ,桂病院の遠い源であるが,以来大戦をはさんで名称・規模ともに変遷を繰り返した.この間,外科を主として肺結核治療にはなばなしい成績をあげたが,さらに診療科を拡大,昭和39年「総合病院・京都桂病院」となったのである.
呼吸器(主として結核)専門として名声を馳せた同病院が総合病院となったのは,時代の必然といえよう.だが,結核の減少と肺がん,慢性気管支炎などの増加は呼吸器疾患の診療を複雑化させ,これへの対応を急きょ迫られたことも,また時代が強いたことであった.桂病院はここに勇断をもって「呼吸器総合病棟」を新設,内科,外科の専門医が共同で治療にあたるユニークな呼吸器病センターとして注目を集めている.「総合病院」か「専門病院」か,という論議がかまびすしい今日,桂病院の医療は,二者の止揚をめざすものとして見守っていく必要がある.
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