ホスピタル・トピックス 放射線
X線診断の新兵器E.M.I.スキャナー
中村 実
pp.51
発行日 1976年1月1日
Published Date 1976/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541205799
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X線診断の話題としてE.M.I.スキャナーX線診断装置がある.英国E.M.I.社というと医療界では耳慣れない会社である.レコード,テープ,電子工学用品の製造が主であるが,ここの中央研究所が開発した,脳疾患診断システムとしてデビューし,X線の発見以来,最も独創的な放射線装置と評価されている.わが国にも今年の7月,東京女子医大脳神経センター放射線科に入った.51年度は国立大学12病院の放射線科にも設置されることになっているようである.
特殊なX線装置と高度なデータ処理を行うコンピュータを組み合わせて,人体を透過したX線吸収差によって得られる画像情報を,臨床上有用な形で表現するもの.X線と反応検知器を使い,頭部内を診断するこのX線検知器は多方面のX線伝動示数を示し,高性能ミニコンピュータの助けで,頭部内の水平断層写真を示す絵に変って出される.結果は陰極線チューブ,スクリーンに個々の撮影個所が80×80cmで写し出されるか,個々の個所のX線吸収値が数字で出される.これにより障害個所および性質が判明する.
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