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第29回世界医師会総会開かる—10月6日−10日東京・帝国ホテル,他
長谷川 泉
pp.61-63
発行日 1975年11月1日
Published Date 1975/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541205759
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第29回世界医師会総会が10月6日かじ,10日まで帝国ホテルで開催された.昭和22年にパリで第1回総会が開かれて以来,日本で総会が持たれたのは今回が最初である.
6日の開会式では,スウェーデンのニルソン前会長のあとを受けて武見太郎日本医師会会長が世界医師会会長に選出された.今回の総会の主題は「医療資源の開発と配分」であり,この問題は現在の日本の医療界が当面している喫緊の課題であるばかりでなく,世界的なスケールで各国が悩んでいる命題であり,今後の医療を改善進歩させてゆくためには根本的なメスを入れなければならない問題である.この主題が設定された背景には,医療の基本理念を支える哲学が盛りこまれている.このことは武見新会長の就任挨拶のなかで,人類の生存の秩序のなかで,生存資源としての医療問題を考え,文明の進歩とともに生存資源としての医療資源が重要さを増したことを強調し,資源の開発と配分について世界的な新しい工夫が必要であることを説いていたことにも端的に示されていた.
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