精神医療の課題 座談会
どうやって自殺を防ぐか
守屋 裕文
1
,
山本 紘世
1
,
一瀬 邦弘
2
,
栗田 正文
2
,
金子 嗣郎
3
1東京医科歯科大学・神経精神医学教室
2栗田病院
3松沢病院
pp.82-92
発行日 1975年3月1日
Published Date 1975/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541205586
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精神病院における「自殺」——患者は治療者の手をすりぬけ永遠の闇に消えてゆく.対象を失った治療者は,そのぬけがらの重さによろめきながら,数々の悔いに心しめつけられる.その苦い思いをかみしめつつ,不幸をくり返すまいとの誓いから,川崎市,栗田病院に集う若い医師たちが,自殺可能性の高い患者のチェックリストをつくりあげた.松尾病院に対する福岡地裁の有罪判決が病院関係者に大きな波紋を投げかけている今日,このリストを素材に自殺防止策を考える必要性は少なくないが,そのことは同時に,精神医療における治療とは何かをも問い直すことではなかったろうか.
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