精神医療の課題 わが病院の院内作業療法
佐賀県・国立肥前療養所
平野 寛子
1
1国立肥前療養所
pp.87-90
発行日 1975年1月1日
Published Date 1975/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541205533
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はじめに
ここ数年来,精神科作業療法のあり方は,論議の的になってきたが,点数化されたことでさらに取り上げられる問題が多くなった.たとえば,治療手段としての普遍妥当性,患者使役の問題,長期在院化の助長など,点数化に伴う諸問題が改めて問い直されており,その結論が急がれている.このような流れの中で,20数年の作業療法の歴史をもち,現在,多様な作業療法的試みを行っている肥前療養所にも一定の動きがみられるようになった.
著者は,作業療法士(OTR)として,当所に勤務して5年になるが,その間,現場でさまざまな試みをし,問題点に直面してきた.この報告は,その軌跡であるとともに,精神科医療施設におけるOTRのアイデンティティを模索する姿でもある.したがって,あくまでも当所のOTRの立場からみた活動の紹介であることを前提として,本論にはいりたい.
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