グラフ
脈うつ伝統を確かめつつ—飛躍をはかる倉敷中央病院
pp.13-19
発行日 1975年1月1日
Published Date 1975/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541205513
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病院のメタボリズム
病院の関係者が何人か集まると,どこかの病院の新築や改築のことで,ひとしきり話の花が咲く,といった情景はよくみられるものである.ことに70年代前半をピークとして,全国津々浦々,最新の設備をそなえた堂々たる病院がぞくぞくと建ち,話題に事欠くことはなかった.
国民の医療に対する要求の拡大化,深化に呼応して,医療供給側が質量ともに飛躍を迫られたことにその理由は集約される.いわゆるシビルミニマムの思想の普及は地域医療計画実行の呼び水となり,国公立病院の整備は目ざましかった.病院の新・改築が,実質的には,高度成長経済下における資本の多量投下の可能性によって保証されていたことも忘れてはなるまい.事実,総需要抑制政策のあおりを受けて完成が遅れたり,設計変更を余儀なくされている病院がある.
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