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‘人類の生存’を視野に入れて—1974・テクニコン国際シンポジウム
pp.18
発行日 1974年4月1日
Published Date 1974/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541205314
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1974・テクニコン国際シンポジウムが,2月26,27,28の3日間,東京・高輪のホテルパシフィックで開催された.
テクニコン社は,臨床化学検査や水質検査などを中心とした自動分析装置を開発している企業であるが,このたび「生存と社会」といういささか深遠にすぎるかとも思えるテーマを掲げたことにはそれなりの必然性があろう.病院の検査室に自動分析装置が普及したのは,1960年代にはいってからだが,かかる機器の高性能化と多様化は医療に多くの恩恵をもたらすとともに,これらを広く医療の体系のなかにどう位置づけてゆくかという深刻な問題をも提起したのである.また,現在いわゆる‘環境の破壊’による人類の存続の危機は,多方面からのさまざまな警告を呼んでいる.こうした状況のなかで同社が,‘人類の生存’という広大なテーマを視野に入れたシンポジウムを企画したことは,企業の社会的責任という意味もこめられているものと思われる.
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