特集 医療・介護の制度改革
新しい地域医療計画等の推進に係る医師会の役割
今村 聡
1
1日本医師会
pp.826-830
発行日 2014年12月15日
Published Date 2014/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401200024
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
医療計画に代表される地域の医療政策は,現場に立脚し,それぞれの地域の特性が反映されたものでなければならない.医療法では,「医療に関する専門的科学的知見に基づいて医療計画の案を作成するため」として,都道府県医師会等を指す「診療又は調剤に関する学識経験者の団体の意見を聴かなければならない.」と定め,さらに医療計画の作成・変更にあたっては,ほぼ全ての都道府県医師会が参画している都道府県医療審議会の意見をあらかじめ聴かなければならないと規定している1).
これらの規定は,病床機能報告や地域医療構想(ビジョン)等を導入する今回の医療法改正においても変更はなく,むしろ都道府県医師会の役割はさらに重要なものとなる.また郡市区医師会も,今後,「協議の場」への参画を含む地域医療構想の推進,介護サービス体制の充実,地域包括ケアシステムの構築による医療・介護の総合的な確保等の担い手として期待される.
日本医師会は,「2025年」に向けて医療・介護の充実に向け,本年度より「地域医療を支える」「将来の医療を考える」そして「組織を強くする」という3つの方針を掲げている.これらの方針には,都道府県医師会や郡市区医師会への支援策として,様々な情報の提供・共有,研修の実施,国の制度設計における医師会の位置づけ強化等が,当然に含まれる.
本稿では,医療・介護の総合的な確保という観点から,これからの都道府県医師会および郡市区医師会の役割と,それを支える日本医師会の方針を中心に述べる.
Copyright © 2014, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.