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—I.Douglas-Wilson & Gordon McLachlan 編—「Health Service Prospects: An International Survey」
西川 滇八
1
1日大・公衆衛生学
pp.25
発行日 1974年1月1日
Published Date 1974/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541205238
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(保健医療事業の展望—国際的見地から)
10数年前にわが国の公衆衛生はたそがれであるという論議が沸いたが,今や世界の保健医療事業は曲がり角にさしかかっている.保健医療の科学技術は目ざましい進歩をとげ,いかなる疾病も医療の対象にとりあげられるようになった.しかし,多数の専門家と多くの医薬品,大がかりな医療器機を必要とし,医療費はぼう大にかさみ,それを個人が負担することはほとんど不可能になった。各国の識者たちは,早急に保健医療の合理化が必要であり,その再編成に努めなければならないことに気づいている.しかし対応策は五里霧中の状態である.このような時代的要請をかかえる時,世界の保健医療に対して指導的役割を果たしてきたTheLancet創刊150年記念として本書の発刊が企画された.
本書の編集は,The Lancetの編集委員であるDouglas WilsonとNaffi—eld Hospitals Trustの事務局長であるGordon Mc Lachlan両氏である.「健保医療事業の展望」は,東は中国,日本,インドから,西はアメリカ合衆国に至る世界の15か国について,それぞれの国内で保健医療事業の全般について,すでに永年にわたり研究し,経験をもった筆者が分担執筆している.たとえばアメリカはJ. Knowles,スウェーデンはȦke Lindgren,日本は橋本正己,イギリスがG. Forsythらである.
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