病院職員のための医学知識・7
人工腎臓の原理と限界
中田 不二男
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1東京船員保険病院第1内科
pp.70-71
発行日 1973年7月1日
Published Date 1973/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541205052
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人工腎臓とはどんなものですか?
人工腎臓というのは器械あるいは装置の名前です.ごく簡単にいえば血液の洗濯機と考えてもよいと思います.その原理も実に簡単なことです.それは‘半透膜の原理’といわれます.たとえば食塩水のうすい溶液と濃いものを作り,その間に食塩の分子を通すような膜を境としておくと,濃いほうからうすいほうへ食塩の分子が通ってゆき,時間がたつと両方の溶液の濃さは一定になります.この濃い食塩水の代わりに血液とし,うすいほうを透析液という血液に近い電解質を含めた液として,半透膜としてセロファン膜を用いたのが人工腎臓というわけです.そしてこれを用いてする治療を血液透析法といいます.セロファン膜の代わりに腹膜を使うこともできます.この方法を腹膜透析(または腹膜灌流)法といい,これら2つの方法をあわせて人工透析といわれます.
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