検査室の窓から・12
医療効果の方程式
冨田 重良
1
1県立尼崎病院研究検査部
pp.74-75
発行日 1972年12月1日
Published Date 1972/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541204864
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病院診療の特異性
6年余りの尼崎病院生活から得たこと,考えたことを,これまで1年間にわたって書かせていただいた.何よりも痛感するのは‘病院医療は医師の力だけでできるものではない’ということである.今まで多くの病院を見学させていただいたが,医療内容の高度な病院では,必ず医療補助部門も充実していた.いや,そういう病院だからこそ,すぐれた医師が集まり,かつ育つ,といったほうがよいのかもしれない.
現に尼崎病院でも‘検査室が充実しているから’という理由で勤務を希望された医師たちが多数おられるのである.看護部門の重要性はもちろんいうまでもない.そしてこれらの部門といえども,病院組織の複雑な網の目を通して,院内他部門の助けを受けている.したがって,病院職員のごく一部の機能の低下といえども,たちまち全病院の働きに影響する.
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