特集 ボランティア活動
ボランティア活動の考え方
小林 玄一
1
1シャーマン病院
pp.23-27
発行日 1971年6月1日
Published Date 1971/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541204334
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Voluntaryismについて
奉仕の精神というか,報酬をあてにしないで,社会のために奉仕するという精神は,どこの国にも強弱の差こそあれ,昔からあったことで,歴史をひもとけば幾多の仕事事業が列挙できると思う.米国ではこれをVolunta-ryismと称し,‘自由意志で何か人のためあるいは社会のためになる仕事をするあるいは支持するシステム’と定義している.
この場合のVoluntaryはfreeの精神と関連するもので,個人の自由,結社の自由,企業の自由が民主主義の社会ではその根底精神であると米国的に説明している.キリスト教と民主主義思潮の深い影響を受けて発達していったものである.宗教の自山と個人の自由を求めて新大陸に移住して来て,インディアンたちの敵意の環境で相互に扶助していかなければならなかったという初期の植民者たちの経験が,そのままVoluntaryism発生の土壌となったものともいえる.
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