おなかを開く話・3
抜糸をしたあと
今村 栄一
1
1国立東京第一病院小児科
pp.88-92
発行日 1971年5月1日
Published Date 1971/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541204325
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早期歌唱はいかが
7針縫った手術創の回りをおさえながら,うつむき加減に歩いている姿は,自分で考えてもみすぼらしいものである.おなかをおさえていないと,歩きにくいのである.うがいをしようとすると,おなかの皮がつっぱり,首のすじもいうことをきかず,水がのどへたまらない.ニワトリはじょうずに水を飲むものだ,首が長いためかなと感心する.
しかし7日たって抜糸してもらったらば,少しそり返ることができるようになった.立ったままで天井を見ることもできるようになり,ニワトリをうらやましく思わないでもすむようになった.
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