病院の広場
医業優遇政策を望む
笹島 吉平
1
1函館五稜郭病院
pp.27
発行日 1971年3月1日
Published Date 1971/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541204259
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勤務医が開業している友人のところに遊びにゆくと,家のたたずまいや部屋の作りのりっぱなのに圧倒されて帰ってくる.高価なウィスキーをよばれても心は沈む.開業すると,どうしてこうも優雅なのだろう.医師会の集まりで勤務医の待遇改善をしてもらえないかという質問に,代議士先生は答えて言った.‘いつまでも勤務を続ける先生は,よほど信念をもった人か変り者ですね’この答えを聞いて一同大笑いをしたことがある.お説のとおりというわけだった.
こうなるのは国家が医業優遇政策でなく,開業優遇政策,それも辺地でなく過密都市開業優遇政策をとっているからといえるだろう,国家が優遇政策をとると,それに乗るのが善良な国民というものである.そこでこの政策を医業優遇政策に拡大してもらえないものだろうか.医師が同じ医療行為をしたならば,開業と勤務で待遇の大きな差をなくする方法はないものか.
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