特集 病院に残る古きもの
病院に残る古きもの・6
病院職員のユニフォーム
荒井 蝶子
1
1病院管理研究所
pp.40-41
発行日 1970年12月1日
Published Date 1970/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541204182
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‘衣食住’の序列には意味がある?
ロンゲットと呼ばれるミディやマキシが,ミニにかわって若い人の間で実際に着用される時代になった.今さら,戦後時代の話題を持ち出すのもおかしいほどだけれど,何物もない欠乏のときに,そして少しずつ満たされる経済になったときに,よく耳にしたことばに‘衣食住とはよくいったものだ.ポロをまとい芋づるを食べていたものが,まず着るものだけは形がついてきたじゃないか’と.そして‘着るものと食べるものは,なんとか豊かになったけれど,これからは住だナ’などと.
医療制度の貧困のなかでは,しかし,この序列にはいささかの迷いがあったようだ.どちらかといえば,住的なものが,やっとどうやら,戦後20年たって第1回脱皮の時点を過ぎつつあるように思われる.しかも世間一般のいわゆる社屋ビル,ホテル,店舗の類からは,1サイクル遅れて……,衣や食は,さらにかなりのサイクルをへだたった時点で低迷しているのだろうか.
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