病院の広場
本邦医学教育および医療制度の望ましい姿
桂 重次
1
1岩手県立中央病院・東北大学
pp.17
発行日 1969年8月1日
Published Date 1969/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541203702
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"病院の広場"に何か書けと編集子からの依頼だったが,私は長いこと東北大外科教室で教鞭をとり,ここの病院長になってから4年にしかならず,病院経営や院長職はまったく初心者で,雑誌"病院"に投稿することは場ちがいと考えたので,編集子の依頼も放置しておいたのだが,東京から電話で催促をうけ,やむをえず最近感じていることを書いて責任を果たすことにした.
今,私は,病院長として一番考えるべきことは,病院に勤務する医師たちに希望をもって意欲的に仕事をしてもらうことであると思っている.それには医局にそのような雰囲気をつくることがたいせつであろうが,一方,臨床医学が漸次細分化し,診断にしても治療にしても高度の専門的な知識や新しい機械が必要になってくると,かかる施設もぜひ病院に備えなければならない.当院ではさいわい岩手県立成人病センターが付設され、数億で器械や図書を備えることができたことはたいへんよかったと思っている.
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