研究と報告【投稿】
地方小都市における総合病院精神科の実態
吉田 登
1
1豊川市民病院精神科
pp.69-72
発行日 1967年6月1日
Published Date 1967/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541203109
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はじめに
精神科治療の進歩にともなって,精神障害者を隔離的に扱うことを避け,一般の疾病に対すると同じように,地域内で治療することが可能になり,早期治療・早期退院・後保護という医療体系が要求されるようになった。
比較的交通便利な所にあることが多く,総合病院という名称のため受診しやすく,臨床各科を有することにより総合診療に便利である点から,総合病院精神科が地域精神医療の第一線機関として重視されるようになり,精神科を併設する総合病院が増加している。増加そのものは喜ばしいが,地域精神医療,総合診療のためという管理哲学もなく併設する病院も少なくないように思われる。すでに鈴木は次のように警告している。「管理哲学のない病院の併設精神科は陳旧欠陥固定患者のたまり場となり,勤務者は動揺し,悩み,やがて紛糾の遠因となる」。
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