第15回日本病院学会特別号 VI.学会総括報告の部
古き都で華麗な元服の式—第15回日本病院学会を聴いて
鈴木 淳
1
1厚生省病院管理研究所
pp.83-89
発行日 1965年10月20日
Published Date 1965/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541202704
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"時は陽春5月,処は京都岡崎"と前評判上々の第15回日本病院学会は萩原名総師のもとに5月13日(木)の専門集会,14日(金)と15日(土)両日の総会,合わせて3日間にわたり,左京区京都会館で開かれた。たまたま同じ会館では第12回アジア映画祭が開会中で,新興アジアの旗の影を映画でなじみの顔がゆきつもどりつし,道ひとつ隔てた勧業館ではビジネス・ショウの飾りつけが街路樹の青葉・嫩葉に映え,さらに1400年の故事来歴の葵祭を両陛下か御観覧になられるという,まさに学会開幕前の雰囲気に花を副えて,恒武の御代延暦13年以来の古都と20世紀の現代が巧みに融合して,われわれの学会を祝福していた。
日本病院学会は15の齢を重ねた。京の歴史にくらぶればひとこまの短かさであるが,人の一生ではながい長い春秋である。それは誕生直後の動物機能の新生児からにきびのふきで始める中学修了者までの期間である。今は,はや,筋骨も整い,運動機能は最大値に近く,不安定な自我が形成され,要素的精神機能は極限となる。15年の変化は極めて大きい。
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