一般検査室から私の一枚
華麗な落下傘部隊―東洋眼虫の幼虫“旅立ちの時”
吉澤 梨津好
1
,
谷口 久子
1
1(財)倉敷中央病院臨床検査科
pp.261
発行日 2007年3月1日
Published Date 2007/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543101177
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眼科から突然持ち込まれた3隻の虫体.10~15mmほどの白い糸屑状をしている.久しぶりに見る虫体に胸躍らせながら顕微鏡を覗くと,なんと雌成虫から幼虫が排泄される瞬間.薄い卵殻を落下傘状に拡げ,今まさに新天地に飛び立とうとしている.“旅立ちの時”である.
雌成虫の体内には薄い卵殻に覆われた幼虫が生成されており,排泄されるときに壊れた卵殻の一部が幼虫体の一端に膜状に付着している.この膜がスライドガラス上の生理食塩水に触れ落下傘様に膨潤したものである.
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