特集 病院におけるリハビリテーション
リハビリテーションの総合計画
稗田 正虎
1
1国立身体障害センター所
pp.30-34
発行日 1965年5月1日
Published Date 1965/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541202570
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いとぐち
病人や負傷者や身体障害者の問題は,その人自体の問題としてよりも,その周辺の家族や社会に影響することがきわめて大きい汎世界的問題で,その程度の差こそあれ,先進国であろうと後進国であろうと共通の問題をもっている。これらの人に対する援助が,社会連帯の責任の概念から,社会保障制度の一環としてのリハビリテーションが,世界的に発展しつつあることは周知のとおりである。
リハビリテーションはベッドから社会へのかけ橋といわれ,リハビリテーションが発達した段階にある国では,リハビリテーション計画は病弱の全期間を短縮し,収容看護費や疾病給付や障害年金を節減し,されにその上,生産的な雇用もできるような有意義な生活ができるように,病人や負傷者を時期を失わせず回復させることによって,社会経済的に,特に社会保障制度の円滑な健全な運営のため重要であることが強調されている。
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