特集 PPC計画
結核病院におけるPPC計画の経験
大森 文子
1
1国立中野療養所
pp.18-21
発行日 1965年4月1日
Published Date 1965/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541202551
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結核の外科的療法が隆盛となった昭和28年頃のわが国の国立結核療養所では,看護要員が6対1と定められているために,手術後患者および重症患者の看護は付添人の手にゆだねられ,しかもその数がかなり増加して,医療保護費の財政面にまで大影響をおよぼす状態となり,一面病院管理上種々の弊害が目立ってきた。厚生省当局においても,広く患者収容の対策をたてるために,この問題の解決にとりくむこととなり,昭和31年度において全国患者同盟という結核患者の団体の猛反対を押し切って,付添人廃止へとふみ切ることになった。
そこで患者に不自由をかけないで,職員の手によってすべての看護を行なうためには,どのような看護体制をとるかが問題となってきた。もちろん,付添人に相当する人数の看護要員の増員がえられれば,ある程度の解決はつくが,これはほんの申しわけ程度に,その何分の一かの看護助手の増員があったのみで,その他の面での合理化を考慮するということになった。
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