新 病院建築・55
PPC方式についての検討
伊藤 誠
1
,
河口 豊
2
,
中山 茂樹
1
,
渡延 公
1
1千葉大学工学部建築学科
2厚生省・病院管理研究所
pp.625-633
発行日 1982年7月1日
Published Date 1982/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541207793
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I.はじめに
看護単位を,患者の病状,言いかえれば患者が必要とする看護の程度に応じて構成しようとする看護度別看護単位構成(PPC方式)には数々の利点がある.それは,ひとつの看護単位の中に絶え間ない観察・処置を必要とする重症患者と身の回りのことはほとんど自分で始末できる軽症患者とが混在している既存の多くの病棟と較べてみれば直ちに理解できよう.すなわち,①一般に不足とされている看護力を合理的に配分し医療効果と看護の能率を高めることができる,②患者にとっても病状に適した環境で入院生活を送ることができる,③建築的には,診療側の利便と患者の生活的な側面との間に起こりがちな相矛盾する条件の解決が容易になる,などの諸点である.
しかし,その運営に関してはいくつかの問題点が予想される.
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