特集 購買管理
病院の購買管理
落合 勝一郎
1
1聖路加国際病院
pp.22-26
発行日 1965年3月1日
Published Date 1965/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541202531
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購買管理の重要性
病院が購買する物品は,多種多様である。武蔵野日赤においては,注射薬,試薬を含めた一切の薬品類の種類は2,100種に達すると報告している。また聖路加では,注射薬品,その他の薬品,衛生材料,放射線フィルムなどの診療用消耗品,注射器,シャーレなどの医療用消耗品,給食材料,洗濯,清掃用材料,事務用品類,営繕用材料,リネン類などすべての物品の種類は,だいたい6,000種を数えている。しかもこれらの物品は,こまごまとしたものが多いこと,一品目ごとの数量は,比較的少量であること,すなわち多種少量が,病院物品の特長である。したがって,購買業務は煩鎖となり,購買価格の切り下げはむずかしくなる。さらに,これらの物品を購買するに要する費用について観察してみると,極めて大ざっぱにみて,その購買総額は,病院収入の大部分を占める患者収益に対して,30パーセントを上回るのである。これらは,病院コストのうちで人件費に拮抗する膨大な金額であって,購買管理の良否が病院経済に重大な影響をおよぼすのである。武蔵野日赤は人件費48パーセント,購買費30.6パーセントを記録し,聖路加は人件費46パーセント,購買費34パーセントを示している。米国における病院の事例をみても,全米病院平均比率は,人件費65パーセント,購買費30パーセントで,購買費の総額は,10億ドルを越すと報告されている。
つぎに物品高の影響も深刻な問題である。
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