特集 安全対策
病院の消防訓練について
下河辺 典三郎
1
1山形県立谷地病院
pp.40-44
発行日 1964年11月1日
Published Date 1964/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541202454
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病院は,肉体的にも,精神的にも,不自由な方がたを収容し,その療養に専念される場所である。とくに入院患者は,ある長い期間の生活が,まったく病院で行なわれるという場所であるだけに,病院の火災には,不測の犠牲者を出す要因を多分に内蔵している。病院に勤務する私たちにとっては,このことを想像するだけで,冷水を被ぶる思いを致すのである。
病院火災の原因には,建物の構造,電気ガス施設,採暖施設などの施設上の原因,職員の火気取扱いからくる原因,患者付添人など外部の火気取扱上からくる原因,類焼,放火など外部からくる原因などが考えられる。したがって,これらに対する一般的な対策としては,施設の防火管理,火気使用上の注意,患者に対するオリエンテーションの徹底などによって,消火よりも防火に重点を置いて,ふだんの管理を行なうことがたいせつであろう。
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