Hospital Topics 診療管理
リハビリテーション・サービスの案内
佐々木 智也
1
1東大・物療内科
pp.85-86
発行日 1964年10月1日
Published Date 1964/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541202442
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リハビリテーションは時代の脚光を浴びているので,コトバとして知らない人はないと考えるが,その実務となると多くの医療関係者が把えどころのないものと感じているのではないだろうか。しかし,リハビリテーションの理念は昔からあったもので,それほどに理解し難いものではない。病気の結果として何らかのハンディキャップを負った者に,いかにしてこれを克服するか,または,いかにして不利な条件下で生活するかを考え,教え,訓練することである。このようなことは,程度の差こそあれ従来から,すべての医療間係者が個々の例について考え,行なってきたことでもある。もし病勢を挫き,病根をとり除けば医療行為は終わりと考えていた者があったとすれば,その者の常識,ひいては人間性をも疑うものである。リハビリテーションは病気の後始末を組織的に行なうものであり,臨床各科の負担を減ずるとともに患者を人間としてたいせつに取り扱う治療行為であるともいえる。
観念的な論議はこの程度にして,リハビリテーション・サービスのあり方と現状での問題点について述べよう。
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