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病院における栄養管理の新しい方策—食糧構成,食品交換表の新しい試み二,三
宮川 哲子
1
1虎の門病院栄養科
pp.55-60
発行日 1964年1月1日
Published Date 1964/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541202276
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病院における給食管理はますます複雑化され管理的立場にある栄養士は主たる栄養管理のほかに労務,財務,施設,資材,衛生管理及び人間関係等多岐にわたる経営管理にもたずさわりながら,栄養科の運営を上手にしてゆかなければなりません。限られた人間の能力内でこれら多くの問題をどのようにして処理してゆくか,ということは非常に大切な問題となりまた大いに研究しなければならない課題であると考えます。栄養科の業務中もっとも大切であり中心となる栄養管理について治療の補助としてポイントをはずさず,しかもあまり多くの時間を費やさず合理的に処理する工夫が必要であります。一般病院,綜合病院ではことに治療食の数が多く栄養管理の複雑多岐であるため,このために費やす栄養士の時間と労力は非常に大きいのです。各病気によって制限する食品種類は違っていますが,栄養学的には"バランスのとれた栄養"であることは基本であり,また栄養指導によって退院後も家庭で食事療法が手軽になすことができるように,また栄養士の業務としても,数多い食事の種類も食糧構成が統括され簡単化し,なお栄養価の計算も簡単にできるような基準を作ることが望ましいのです。虎の門病院では,36年の糖尿病学会に糖尿病の食事基準(食糧構成)とその食品交換表について発表しましたが,その後糖尿病教室においてまた院内における栄養指導に非常に役立っています。
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