特集 病院の機械化
病院各部の機械化の実例
1.事務—聖路加国際病院の例
落合 勝一郎
1
1聖路加国際病院
pp.41-45
発行日 1963年10月1日
Published Date 1963/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541202217
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病院事務合理化のための最も新しい方策として機械化の必要が提唱されるのは,機械化によって仕事の能率を高め仕事に速度と正確さを求めるほか,管理に必要な資料集成のスピード化を求めるからである。したがって機械化するだけの仕事の旦と,仕事の標準化の可能性が着眼点となる。猫もしゃくしも機械化というわけにはいかない。さらに,機械化には相当の支出が伴なうから病院の管理者の頭に現金主義会計つまり,大福帳的な考え方が浸み込んでいる傾向が強いと,「この機械を購入して有効に使用すれば,これだけの能率をあげられるから,何年後には償却が可能だ」というような,企業的な,健全で長期的な計画は成り立たない。したがって,「こんな高い機械はもったいなくて買えない」とか「買えば赤字になるから買わない」というような官庁会計的な,いってみれば原始的な算盤のはじき方で病院のために,プラスになることがはっきりしていても,みすみすのがしてしまうことも多いようだ。
逆の場合もあるようである。すなわち,「あの病院で購入したから私の病院でも買ってみよう」というように,あまり計画性もなく高価な機械を買ってはみたが,使用しないで,見学者にみせるだけにおわってしまう展示会的な機械化もあるときいている。
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