Hospital Topics 給食管理
食事療法最近の動向
T.M.
pp.94-95
発行日 1963年6月1日
Published Date 1963/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541202149
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食事療法今昔
我が国の病院においては食事療法をはっきり始めたのは昭和3,4年だったと記憶する。特に内科疾患において薬剤と共に食事によらなければならない大切な問題と考えられ糖尿病,腎臓病,心臓病,胃腸病(殊に胃潰瘍)潜血検査のための検査食などを特別な調理室を設けて一般食とは全く別に調理されたのです。それは病院側で特に料理人というのでなく女子の専門学校の食物専攻をした人を入れその人に助手をつけて運営したのです(当時栄養士という名称はなかった)私の知っている範囲では岡山大学病院,東京警察病院(坂口先生)同愛記念病院(三浦先生)東京鉄道病院の4カ所でした。
特別調理室において内科の治療食事を必要とする病気,即ち,糖尿,腎臓,心臓病,小児食,調乳,それにその頃はレントゲンのバリウムが飲み難いものだったために,飲み易いものに加工していたのです。業務内容としては,予算ということは余りいわれないものの高価なものはさけることは常識で(然しやかましいことはいわれなかった)献立作成,嗜好調査,残食をよくしらべ,病室訪問は欠かさなかった。実際に喫食したものの栄養価計算をしなおし診療録の食事の欄にかくようになって毎朝責任の看婦婦が食事表をつけに来る習慣になって医師は回診の都度それをよく見て,食事等の変更がなされていた。総回診(医長の廻診)には栄養士もついて行って患者の状態医師との会話を参考にした。
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