特集 職員訓練
職員訓練—5つの課題
接客教育のポイント—ことばづかいと態度を中心として
冨田 重雄
1
1(財)東京生化学研究所
pp.41-44
発行日 1963年4月1日
Published Date 1963/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541202098
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接客教育の基本
病院における患者さんは,病院にとってだいじなお客である。ところが,わが国の実情は,患者さんをお客と意識して十分なナービスをしていないきらいがあるのは残念なことである。もっとも近江サナトリウムのように患者さんを病客として客扱いをしているケースもあるにはあるが,これなど珍らしいことであろう。病院では,同じ客扱いをするといっても,旅館やデパートなどとはその客扱いが本質的に異なるものである。それは病院における患者さんは精神的に,また身体的にわずらえる人であるからである。従って,患者さんは大なり小なりに,次のような患者心理をもっている。
1)病気に対して不安や恐怖をもちやすい。(心気性)
2)常に自分または自分の病気にのみ強い関心をもち,他への顧慮が減り,すべて自己中心的に考えやすい。(自己中心性)
3)病気になると身体の自由が狭められるので何か信頼のできるものを求めてよりかかる気持になる。(依存性)
4)自分の弱点を強く意識して,健康者に対して,また患者同志に対して自分が劣っていることを感じている。(劣等感)
5)自分の周囲に対して著しく過敏となり,疑い深く他人のいうことをなかなか信用しない。(猜疑性)等。
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